MetaがThreadsにAI返答機能を導入——xAI「Grok」方式を踏襲
観測。Metaは2026年5月12日(現地時間)、Threadsにおける新機能のテストを発表した。ユーザーが投稿やリプライ内でMeta AIの公式アカウントをタグ付けすると、AIが質問への回答や会話の文脈情報を自動生成して返答する仕組みだ。構造はXプラットフォームでxAIのGrokアカウントをメンションする機能と酷似している。Meta側もその類似性を意識した設計である可能性が高い。
この機能は現時点でテスト段階にある。全ユーザーへの展開時期は未公表だ。Metaは近年、OpenAIやGoogleに追いつくべくAI分野へ数十億ドル規模の投資を実施。AIエンジニア・研究者の採用にも積極的に動いている。2026年4月にはMuse Sparkと呼ばれる新AIモデルをローンチ済みだ。Threadsへの統合は、その戦略の一環と位置づけられる。詳細はThe Vergeが報じている。
「ブロックできない」——ユーザーの怒りが爆発
検知。問題の核心はブロック機能の欠如だ。Threadsユーザーたちは機能公開直後に、Meta AIアカウントをブロックできないことを発見した。通常、Threadsでは任意のアカウントをブロックし、自分のタイムラインや通知から排除できる。しかしMeta AIアカウントはその対象外となっている。
ユーザーが望まないAI返答を受け取っても、回避する手段がない。これはプラットフォーム上の体験を一方的に変更するものであり、ユーザーの自律性を損なうと批判されている。SNS上では「AIをオプトアウトできない設計はユーザー無視だ」「Metaは同意なしにAIを押しつけている」といった声が相次いだ。Engadgetもこの問題を独立して報告しており、反発の広がりを裏付けている。
ブロック不可の技術的理由についてMetaは現時点で公式説明を出していない。設計上の意図なのか、テスト段階の未実装なのか、現時点では不明だ。ただし、テスト段階であることを考慮すると、正式ローンチまでにブロック機能が追加される可能性はある。
Grokとの比較——プラットフォームAI統合の「不快感」問題
XにおけるGrokの統合も、当初から賛否両論を呼んだ。Grokはリプライ欄に自動で要約や解説を挿入する機能を持ち、ユーザーから「求めていない情報が増える」「会話の流れを壊す」と不満が出た経緯がある。MetaのMeta AI統合は、そのGrok方式をThreadsに持ち込む形だ。
プラットフォームがAIを会話の中に直接埋め込む設計は、エンゲージメント指標の向上を狙ったものと見られる。AIが返答を生成することで投稿への反応数が増え、プラットフォームの滞在時間が伸びる——そうした計算が背景にある可能性が高い。しかしユーザー側の体験は「AIにリプライを乗っ取られる」と映りやすい。
特にThreadsはInstagramとの連携を軸に成長してきたプラットフォームだ。ユーザー層はテキストSNSに慣れた層だけでなく、写真・動画中心のInstagramユーザーも多い。AIによる自動返答への許容度がXユーザーと同じとは限らない。Meta側がその差異をどう評価しているかは不透明だ。
結論——「ブロック不可」は設計思想の問題だ
MetaがAIアカウントのブロックを許可しない設計を選んだ事実は、単なる機能の欠如ではない。これはプラットフォームの意思表示だ。ユーザーがAIとの接触を拒否する権利よりも、AIの普及とエンゲージメント最大化を優先するという判断がそこにある。
AI統合を進める各社に共通する課題が浮き彫りになった。技術的に可能であることと、ユーザーが受け入れることは別問題だ。数十億ドルを投じたAI戦略も、ユーザーの信頼を失えば逆効果になる。Metaが正式ローンチまでにブロック機能を実装するかどうか——その判断が、同社のユーザー尊重姿勢を測る試金石になる。ログは正直だ。ユーザーの反応も同様だ。






